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内科・皮膚科疾患のお話

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冬になってしまう乾燥肌

○乾燥肌について○

 肌内部の水分が不足し、手で触ると肌がカサついていたり白く粉をふいたように見えたりする症状のことを指します。

 日常的に乾燥肌が気になる方もいれば、秋や冬など空気が乾燥しやすい季節に肌の乾燥が気になる方もいらっしゃいます。適切な対策を行えば、乾燥肌は改善できる可能性があります。スキンケアや生活習慣を見直し、乾燥肌を予防していきましょう。

 

○原因は?○

 お肌の水分をキープする「バリア機能」が正しく機能しなくなり、水分を保持できなくなった状態のことをいいます。そのため、乾燥肌にならないためには、皮膚の一番外側の角質層のバリア機能が正常であることが重要です。

 

 バリア機能は肌内部の水分を保つだけではなく、外部刺激からも守る働きをしています。しかし、あらゆる原因でバリア機能は定価し、乾燥肌になっていしまうことがあります。

 加齢や栄養不足、睡眠不足など体の内部が原因で、肌の生まれ変わり「ターンオーバー」が乱れてしまうと、バリア機能が低下してしまうことがあります。

 

 そのほかにも紫外線の影響や空気の乾燥、間違った入浴方法など、外部からのダメージによっても乾燥は起る可能性があります。乾燥の原因はさまざまなため、ご自身の乾燥肌がなぜおこってしまったのか、原因を知ることが乾燥肌予防にとって大切なポイントです。

 

○予防について○

1、保湿をしっかりする

 乾燥肌予防において大切なことは、適切な方法で保湿をすることです。化粧水や乳液、保湿剤を活用しながら肌にうるおいを与えます。

 

★化粧水 ~ 肌に不足した水分を補給する役割を持っており、水分がベースのスキンケアアイテムになります。保湿成分が含まれた化粧水を活用しながら、肌にうるおいを与えましょう。

 

★乳液 ~ 肌を柔らかくしながら水分を保持しやすい環境肌を整えます。与えた水分を蒸発させないためにも、スキンケアの仕上げには保湿剤を使用すると良いです。クリームや白色ワセリンなど、油分を含んだアイテムで、肌にフタをして水分の蒸発を防いでください。

 

★白色ワセリン ~ 赤ちゃんから大人まで使えるアイテムです。香料や着色料、パラベンなど添加物が少ないため、肌が弱い方でもいた労わりながらケアできるのが魅力です。

 特に冬場は肌が乾燥しやすいため、ご自身に合ったアイテムを活用しながら保湿することが大切です。入浴後や洗顔後は肌が乾燥しやすいため、すぐに保湿ケアを行うようにしてください。

 

 もともと乾燥肌の方は、この時期は入浴後に水分を拭き取らずに、濡れたまま保湿剤をすぐ塗り、水分を閉じこめて保湿してください。

 

 部屋の中は暖房や冷房などで乾燥しがちなので、加湿器などを使って湿度を60%程度に保つようにしましょう。加湿器が無い場合でも濡れたタオルを干したり、室内干しをしたりすることでも部屋の加湿はできます。

なかなか湿度に対して意識が向かない場合は、まずはきちんと湿度をはかってみて、現在の湿度を知ることからはじめてみるのも一つの方法です。

 

2、バスタイムはぬるめのお湯にする

 湯舟のお湯は38~40℃のぬるめに設定し、シャワーも40℃程度にしておきましょう。洗い方については、顔を洗うときはしっかり泡立てて手指で直接こすらないように、体はナイロンタオルで洗わず手で洗い、刺激が少なくなるように心がけましょう。こすることにより、肌内部の水分保持を担うバリア機能を低下させてしまい、乾燥肌を招いてしまいます。

 また、入浴後はなるべく早く顔や体のスキンケアを行うようにして、肌に含まれた水分が逃げないうちにケアをしましょう。

 

 3、バランスのよい食事と十分な水分をとる

1日3食きちんと食事をとりましょう。肌をつくるタンパク質、ターンオーバーを促すビタミンB2とB6、必須脂肪酸などを中心にバランスのよい食事をとることが重要です。

 水分は1日、1.5~2リットル(普通サイズのペットボトル3~4本分)を目安にとりましょう。体内の水分量を増やせば肌のうるおいもキープでき、乾燥肌予防になります。

 

○乾燥肌の改善、健康な肌に欠かせない栄養素○

タンパク質 ~ 皮膚や筋肉などを作る栄養素で、肌細胞の原料でもああります。タンパク質の一種であるコラーゲン には肌の弾力を保つ役割があるため、健康でハリのある肌作りに必須の栄養素です。

 タンパク質には動物性と植物性があり、どちらかに偏らないようバランス良く食べることが大切です。また、タンパク質は多くの食材に含まれているため、摂り過ぎにも注意しましょう。食材は肉・魚・大豆・卵・ごはん・パン・麺など。

 

ビタミンA ~ 肌や粘膜を健康に保ち、潤いを与える栄養素です。また、新陳代謝の周期を整える働きもあるので、積極的に摂りましょう。例えばカボチャやニンジンなどの緑黄色野菜に多く含まれているβカロテンは体内でビタミンAに変わるため、栄養摂取の効率化を期待できます。

 しかし、ビタミンAは過剰に摂取すると、肝機能障害や吐き気などの健康被害が発生する場合があるので、摂り過ぎには注意しましょう。脂に溶ける性質があり、炒め物や揚げ物など、一緒に油を使用する調理方法がおすすめです。食材はレバー・ニンジン・うなぎ・小松菜・モロヘイヤ・ほうれん草など。

ビタミンB群 ~ ●ビタミンB1 ●ビタミンB2 ●ビタミンB6 ●ビタミンB12 ●ナイアシン ●パントテン酸 ●葉酸       ●ビオチンの8種類があります。

 水に溶ける性質があるため、下茹でする代わりにレンジで加熱するかスープで食べることをおすすめします。

 ビタミンB群は体内に保持できないため、継続的に食べようとする意識が大切です。一方で、ビタミンB群を摂取しすぎても体内にとどまることはありません。食材はレバー・干しシイタケ・アーモンド・魚介類・ほうれん草など。

 

ビタミンC ~ コラーゲンを作ってくれる大事な栄養素です。コラーゲンは肌のうるおいを保つ役割を持っており、不足すると肌荒れの原因になります。

 さらにビタミンCは、活性酸素を除去し肌の酸化を防ぐため、健康な肌のためには欠かせない栄養素です。活性酸素は、乾燥をはじめとする肌トラブルや老化を引き起こします。乾燥に悩んだ時だけでなく、紫外線を多く浴びた日などにも積極的に摂取するようにしましょう。食材はパプリカ・ブロッコリー・イチゴ・レモン・じゃがいもなど。

ビタミンE ~ 抗酸化作用を持つ栄養素です。紫外線や喫煙、ストレスなどで体内に発生した活性酸素を除去するため、肌へのダメージを防ぎます。加えて、ビタミンEには血行を促進する働きがあります。新陳代謝を促す効果もあり、潤いのある健康な肌を作るのに有効な栄養素です。食材は卵・アーモンド・オリーブオイル・魚介類・大豆製品など。

 

亜鉛 ~ ホルモンやタンパク質、DNAの合成、ホルモン分泌の調整などの働きがあり、健康な身体を維持するのに必要な栄養素です。さらに肌の新陳代謝を促す酵素を作るため、肌のバリア厭脳を高める効果もあります。食材はかき・レバー・赤身肉・チーズ・卵黄など。

 

必須脂肪酸 ~ α-リノレン酸は細胞膜、セラミドを作る役割があります。セラミドは水分を保持する役割があるため、食事でとることにより乾燥した肌を改善できるでしょう。

 一方、必須脂肪酸は熱、光、空気で酸化しやすいため、保管場所や調理法に注意が必要です。冷暗所で保管し、加熱の必要がないドレッシングなどへの加工が向いています。食材はエゴマ油・アマニ油・イワシやサバなどの魚油。

 

○乾燥肌の体質改善に効果的な飲み物○

体内の水分が不足すると肌の乾燥が進むため、意識的に飲み物を摂取する必要があります。水分補給の際には、カフェインが入ったコーヒーや紅茶などは避けましょう。利尿作用により、補給した水分を体外に出してしまうからです。

 

水 ~ 冷たい水は身体を冷やすため、常温で飲むようにしましょう。常温の水ですと、胃腸に負担をかけずに水分補給できます。夏の暑い時期には冷水を一気に飲みたくなりますが身体を冷やしてしまうので、少量ずつ時間をかけて飲むようにしましょう。

  • 朝起きた時 ●入浴後 ●汗をかいた時 ●就寝前 このようにタイミングを複数回に分散させ、毎日こまめに摂るのがおすすめです。

 水には、水道水やミネラルウォーターの軟水、硬水などの種類があります。飲みやすく、ご自身の好みや体質に合ったものを選ぶと良いでしょう。

 しかし、体調が悪い時や腎機能が低下している時に水分を過剰に摂ると、身体がむくむ可能性があるため、注意しましょう。

白湯 ~ 水を沸騰させて50℃くらいに冷ましたものです。水道水から作るとカルキの風味を感じる火脳性があるので、ミネラルウォーターで作るのがおすすめです。

 白湯を飲むと血流がよくなり、新陳代謝を促します。さらに、腸の動きが活性化し便秘が解消され、乾燥肌だけでなく他の肌トラブル改善にも有効です。

 

緑茶 ~ ビタミンCやビタミンEが含まれており、乾燥肌の体質改善に効果があります。ビタミンCには体内でコラーゲンを生成する働きがあるため、肌のうるおいと弾力の保持に欠かせないビタミンです。

 また、抗酸化作用を持つビタミンEは、シミ、くすみなどのダメージ防止に効果があります。加えて、血行促進効果により新陳代謝を促し、うるおった肌に改善する作用もあるといわれています。

 

 4,質のよい睡眠を十分にとる

 睡眠不足は自律神経を乱れさせ、ターンオーバーの乱れの原因になることもあるため、睡眠時間は十分にとりましょう。良質な睡眠をとるためには、就寝30分前からスマホを見ないようにしたり、寝る前に軽くストレッチをしたりするのもおすすめです。

 

 5,優しい素材を身につける

 服や肌着の素材によっては、敏感になりがちな乾燥肌を刺激する可能性があります。直接肌に触れる衣服は特に、化学繊維のものは避けるようにしましょう。通気性の良い木綿やシルクが肌への刺激が少なくておすすめです。

 

何かご不明点ございましたら当院までお問い合わせください。
東京メトロ東西線・葛西駅西口より徒歩5分、葛西内科皮膚科クリニックです。

 

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