内科・皮膚科疾患のお話
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2024年第49週の定点当たり報告数9.03(患者報告数44.673)となり、前週よりも報告数4.86よりも増加しました。(2024年12月11日現在)
都道府県別では福岡県(20.30)、大分県(13.41)、千葉県(13.23)、長野県(12.47)、鳥取県(12.14)、広島県(12.11)の順となっています。全国47都道府県で前週よりも増加しました。
年齢別では、0~4歳が約2.9万人、5~9歳が約6.6万人、10~14歳が約5.8万人、15~19歳が約3.2万人、20代が約2.5万人、30代が約2.7万人、40代が約4万人、50代が約3.7万人、60代が1.7万人、70歳以上が約1.7万人となっています。
●インフルエンザについて●
~インフルエンザの症状、風邪との違い、症状改善の為の注意点~
症状は?
感染した場合、約1~3日の潜伏期間の後、インフルエンザを発症します。
続く約1~3日では突然の38℃以上の高熱や全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。少し遅れて、咳やのどの痛み、鼻水などの「呼吸器症状」が現れ、腰痛や吐き気などの「消化器症状」を訴えることもあります。10日前後で症状が落ち着き、治癒します。
|
風邪(普通感冒) |
インフルエンザ |
発症時期 |
1年を通じ散発的 |
冬季に流行 |
主な症状 |
上気道症状 |
全身症状 |
症状の進行 |
緩除 |
急激 |
発熱 |
通常は微熱(37~38℃) |
高熱(38℃以上) |
主症状(発熱以外) |
●くしゃみ ●のどの痛み ●鼻水、鼻づまり など |
●咳●のどの痛み●鼻水 ●全身倦怠感、食欲不振 ●関節痛、筋肉痛、頭痛 など |
原因ウイルス |
ライノウイルス、コロナウイルス アデノウイルスなど |
インフルエンザウイルス |
改善するために注意するべきこと
体内にいるインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ「抗インフルエンザウイルス薬」の服用が有効です。発症後すぐに服用を開始すると、服用していない場合と比べて発熱期間が1~2日短縮され、ウイルスの排泄量も減少し、徐々に症状が改善されていきます。
ただし、お薬を服用して解熱しても、体内のウイルスがすぐにいなくなるわけではありません!!
「症状が改善したから…」と薬の服用を途中でやめることで、体内に残っているウイルスが周りの人に感染する可能性があります。熱が下がったあとも、お薬はきちんと飲みきり療養しましょう。
●基本的な感染対策●
インフルエンザをはじめとする感染症の予防には、「手洗い」「マスクの着用を含む咳エチケット」などが有効です。
特に、高齢者や基礎疾患のある方が感染すると、重症化のリスクが高まります。高齢者と会ったり、通院や大人数で集まったりするときは、マスクの着用を含めた感染症対策へのご協力をお願いします。
〈マスクの着用が効果的な場面〉
医療機関を受診する時や、高齢者など重症化リスクの高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設などへ訪問する時などは、マスクの着用を推奨します。
その他、インフルエンザの流行期に重症化リスクの高い方が混雑した場所に行くときについては、感染から自身を守るための対策としてマスクの着用が効果的です。
子どものマスク着用については、健やかな発育・発達の妨げとならないよう配慮してください。保護者や周りの大人が個々の子どもの体調に十分注意をお願いします。
マスクの着用は個人の判断に委ねられるものでありますが、事業者が感染対策上または事業上の理由などにより、利用者または従業員のマスク着用を求めることは許容されます。ただし、障害特性などにより、マスクなどの着用が困難な場合には、個別の事情に鑑み、差別などが生じないよう十分配慮をお願いします。
〈症状がある場合〉
咳や痰などの症状がある場合は、他の人へうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
鼻水・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。
※咳エチケット用のマスクは、薬局やコンビニエンスストアなどで市販されている不織布製マスクの使用が推奨されます。※マスクの着用は説明書をよく読んで正しく着用しましょう。
予防接種
インフルエンザワクチンには、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。
令和6年10月現在、インフルエンザワクチンについては、皮下投与の不活化ワクチン(インフルエンザHAワクチン)と経鼻投与の弱毒生ワクチンの2種類が国内で流通しています。当院では不活化ワクチンのみ。
インフルエンザHAワクチンは6ヶ月以上の者、経鼻弱毒生ワクチンは2歳以上19歳未満の者が対象となっています。
13歳以上の者に係るインフルエンザHAワクチンについては、いずれの製造販売業者の製品においても、用法・用量は「13歳以上の者については、0.5mlを皮下に、1回又はおよそ1~4週間の間隔をおいて2回注射する」とされていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンHAザワクチン0.5mlの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。
なお、世界保健機関では、季節性インフルエンザ(不活化ワクチンに限る)の用法について、9歳以上の小児及び健康成人に対しては「1回接種」が適切であると旨の見解が示されており、季節性インフルエンザワクチンの定期の予防接種は1回接種としています。
ただし、医学的な理由により、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。