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内科・皮膚科疾患のお話

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【水ぼうそう】について知りたい!

 最近、「みずぼうそう(=水痘)」の患者さんが増えています。東京都感染症情報センターのデータでは、例年になく水痘患者さんの報告数が増えています。特に保育園や幼稚園に通うお子さんの間で感染が広がっており、注意が必要です。

 

🎵病態(特徴・分類・種類など)

 水痘(水疱瘡)は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)による非常に感染力の強いウイルス感染症です。主に小児に多く見られますが、大人でも発症することがあります。発症すると、全身に集簇性の発疹が現れ、発疹の進行段階(紅斑→丘疹→水疱→痂皮)が同時に混在するのが特徴です。水痘のウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、将来的に免疫力が低下した際に「帯状疱疹」として再発することがあります。

 

🎵原因

 水痘の原因は、水痘帯状疱疹ウイルスへの感染です。
感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染と多岐にわたります。感染症法では5類感染症に分類されており、特に冬から春にかけて流行しやすい傾向があります。
潜伏期間は通常10~21日(平均14~16日)で、発症前から感染力があるため、集団生活を送る子どもたちの間で急速に拡大することがあります。

 

🎵症状(自覚・他覚症状)

 水痘の主な症状は、発熱・全身倦怠感・頭痛などの全身症状と、強いかゆみを伴う発疹です。

発疹はまず紅斑として現れ、数時間から1日以内に丘疹、水疱、痂皮へと進行します。発疹は全身に広がり、特に体幹部に多くみられます。水疱は破れると二次感染や痕が残ることがあるため注意が必要です。発熱は38℃前後が2~3日続くことが多いですが、子どもでは発疹が初発症状となることもあります

 

🎵検査

 水痘の診断は、特徴的な発疹の経過や分布から臨床的に行われることがほとんどです。ただし、症状が非典型的な場合や他の疾患との鑑別が必要な場合には、血液検査で抗体価の上昇や、発疹部の水疱内容液から迅速検査などを用いることもあります。

当院では上記血液検査、迅速検査双方を活用し判別しております。

 

🎵治療(生活習慣・薬物・手術など)

 軽症の小児では対症療法(かゆみ止め、解熱剤など)が中心となります。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。皮膚の清潔を保ち、爪を短く切って掻き壊しを防ぐことが大切です。

重症化リスクの高い成人や免疫力が低下している患者、合併症が疑われる場合には、抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)が使用されます。発症から24時間以内に抗ウイルス薬を開始することで、症状や合併症のリスクを軽減できます。重症例や合併症がある場合は入院治療が必要になることもあります。

 

🎵予防・対策(患者自身ができること、生活の中で気を付けること)

 水痘の最も効果的な予防法はワクチン接種です。日本では1歳から3歳までの間に2回接種することが推奨されています。ワクチン接種により発症や重症化のリスクが大きく減少します。

感染者は発疹がすべて痂皮化するまで登園・登校を控え、他者への感染拡大を防ぐことが重要です。発症中は皮膚を清潔に保ち、手洗いを徹底し、爪を短くして掻き壊しを防ぎましょう。家族や周囲の人にもワクチン接種を勧めることで、集団感染のリスクを下げることができます。

 

🎵まとめ

 水痘(水疱瘡)は、強い感染力を持つウイルス性疾患で、主に小児に多く発症します。特徴的な発疹と発熱が主症状で、多くは軽症で自然治癒しますが、重症化や合併症のリスクもあるため注意が必要です。診断は主に臨床症状から行われ、治療は対症療法が中心ですが、重症例では抗ウイルス薬が用いられます。最も重要な予防策はワクチン接種であり、適切な感染対策と生活習慣の工夫で重症化や感染拡大を防ぐことができます。

診察に当たっては感染力が非常に高い為、水疱瘡が疑われる場合、一度クリニックへご連絡の上、来院いただきますようよろしくお願いいたします。

 

 

健康や病気について学べるクリニック
東京メトロ東西線葛西駅より徒歩5分 葛西内科皮膚科クリニック

 

【医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一 監修】

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