喘息と聞いて子どもの病気と思われる方は多いでしょうか？近年では成人での喘息も増えており、以前お話しした咳喘息も未治療で放置していると約３割の方が喘息に移行すると言われています。
気管支喘息は気道に慢性的な炎症を起こし、気管支が狭くなった状態です。ヒューヒューと笛が鳴るような喘鳴音を伴う呼吸になり、夜から明け方に増悪する場合が多いです。
治療は、強力に気道の炎症反応を抑える吸入ステロイド剤が重要になります。ステロイドと聞くと不安な方もいるようですが、吸入ステロイドは主に肺にのみ作用し、全身へ作用することはほとんどありません。重症発作ではステロイドの点滴や内服薬による全身投与をする場合もありますが、きちんと決められた適正期間のみ使用することが肝心です。
近年ではステロイドと気管支拡張剤の合剤も多く発売され、気管支を広げ呼吸を楽にしつつ、気道の炎症を改善させる治療が一般的です。
吸入により症状が落ち着いた場合でも、勝手に治療を自己中断してしまうと再燃することも多いため、きちんと医師の指示に従って薬を調整していきましょう。