内科・皮膚科疾患のお話
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■いぼとは?
いぼは一般的に皮膚科に限らず、ものの表面上にできた突起物を意味する俗語です。
専門用語としては疣贅(ゆうぜい)という言葉が使われます。
■いぼのできる病気のいろいろ
・ウイルス性疣贅(尋常性疣贅、扁平疣贅、足底疣贅など)
皮膚や粘膜にヒト乳頭腫ウイルスというウイルスが感染し、感染した皮膚の細胞が増殖してしまって皮膚が厚く硬くなります。
感染してから症状が出るまでの期間は1~6カ月程度で、症状が出ると最初は小さく平らで少し盛り上がっている程度ですが、時間とともに皮膚の細胞がどんどん増殖して盛り上がり、大きくなります。
年齢にかかわらず手や足の指、手のひらや足の裏にできることが多いです。ウイルスや菌が入ってきた時には体から排出しようとする免疫反応が起こりますが、ウイルス性イボとなってしまった場合は感染したウイルスが体の免疫を回避して住み着いてしまっています。
通常かゆみや痛みなどの症状はありませんが、足の指や足の裏にできて盛り上がりが強い場合には、たこやうおのめのように押すと痛みがあることがあります。
お子さんの足にたこやうおのめができたと思われた場合、多くはウイルス性のイボです。
ウイルスが原因なので、いぼに触ると触った場所にウイルスが新しく感染してイボがうつってしまいます。
ありふれた病気ですので、どこでうつったかの特定は難しく、足のイボを触っていて指に移るなどの自分自身で患部を広げてしまっていることもあります。
・たこ、うおのめ
たこやうおのめは足の裏や足の指などの荷重が繰り返しかかる部分の角質が分厚くなってできます。角質が平坦に厚くなっているものをたこ、角質層が楔形に皮膚の深くまで食い込んでいるものをうおのめといいます。
うおのめは皮膚の深くまで食い込んでいますので、押すと痛いのが特徴です。
軽い場合は皮膚が分厚くなるだけで症状はありませんが、隆起が強くなると違和感を感じるようになり、次第に歩くときに当たると痛みが出るようになります。
・脂漏性角化症
皮膚の表面(表皮)の細胞が増えてできる良性の腫瘍(できもの)で、手のひら、足の裏以外の全身で見られます。
淡い褐色から黒色の盛り上がったできもので、老人性イボ、加齢性イボとも言われます。
早いと20代後半から、主に40歳以降にでき、紫外線の当たる顔や頭などに生じることが多いですがお腹周りにたくさんできることもあります。
・水いぼ
水いぼは、伝染性軟属腫と呼ばれるウイルスによる感染症です。
伝染性軟属腫ウイルスが皮膚の小さな傷や毛穴から入り込み、皮膚の細胞に感染します。
続いてその臍傍の中で伝染性軟属腫ウイルスが増えていき、その結果イボとなって皮膚に現われます。
表面がツルツルして、みずみずしい光沢のある5mm以下の小さな皮膚の盛り上がりが特徴です。よく見るとてっぺんが少し凹んでいます。水いぼは手のひらや足の裏以外の身体にできます。水いぼがつぶれ、そこにいるウイルスが自分や他人の皮膚の傷や毛穴に接触することで感染します。皮膚の接触、タオルの共有などで感染することが多いとされています。
自然に治ることが多いですが、放置していると増えたり、他の人にうつしてしまうことがあります。
・尖圭コンジローマ
尖圭(せんけい)コンジローマは、ヒトパピローマウイルスを原因とする性感染症の一つで、正規の周辺に尖った形のイボが見られることが特徴です。
男女どちらも発症し、日本の有病率は10万人当たり30人程度ですが、徐々に女性が増加しつつあります。痛みやかゆみなどの自覚症状が出ないことも多く、いぼが小さかったり、見えにくい場所にあると、感染に気付かないことも多い病気です。
自然治癒することもありますが、イボが増殖、増大すると痛み、かゆみ、出血などの症状が出やすくなり、原因となるパピローマウイルスの種類によって、覚醒化する可能性もある為
性器周辺のイボに気づいたら早めに医療機関を受診して下さい。
何かご不明点ございましたら当院までお問い合わせください。
東京メトロ東西線・葛西駅西口より徒歩5分、葛西内科皮膚科クリニックです。