MENU

内科・皮膚科疾患のお話

Blog

風疹について

■風疹とは

風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる急性の風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、風疹への免疫がない集団において、1人の風疹患者から5~7人にうつす強い感染力を有します。

風疹ウイルスの感染経路は、飛沫感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播します。

症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛を認めるなど、小児より重症化することがあります。

また、脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、入院加療を要することもあるため、決して軽視はできない疾患です。

また、風疹に対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、先天性風疹症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。

 

■風疹の症状

通常2~3週間(平均16~18日)の潜伏期間の後、発熱、発しん、リンパ節腫脹が出現します。発熱は、約半数にみられる程度で、感染しても症状が出ない場合もあります。基本的に予後は良好です。

 

■風疹の感染経路・感染力

患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫感染」が主たる感染経路ですが、その他にウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる「接触感染」もあります。

周囲へ感染させる期間は、発疹の出現する前後の1週間程度と言われています。妊娠初期に風疹にかかると、母親から胎児へ胎盤を介して感染し、先天性風疹症候群(眼や耳、心臓に障害がでること)になる可能性があります。

 

□感染経路の種類

①空気感染

ウイルスや細菌が空気中に飛び出し、1m以上超えて人に感染させることです。

→麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、結核など

 

➁飛沫感染

ウイルスや細菌が咳、くしゃみなどにより、細かい唾液や気道分泌物につつまれて空気中に飛び出し、約1mの範囲で人に感染させることです。

→百日咳、風疹、インフルエンザ、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)など

 

➂接触乾癬

皮膚や粘膜の直接的な接触、または医療従事者の手や医療器具、その他手すりやタオルなどのような物体の表面を介しての間接的な接触により、病原体が付着することで感染することです。

→咽頭結膜熱(プール熱)、インフルエンザなど

 

➃経口感染

ウイルスや細菌に汚染された食べ物を、生または十分に加熱しないで食べた場合や、感染した人が調理中に手指等を介して食品や水を汚染し、その汚染食品を食べたり飲んだりした場合に感染します。

糞便が手指を介して経口摂取される場合を特に糞口感染といいます。

→感染性胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルス)など

 

■風疹の合併症

風疹の症状は子供では比較的軽いのですが、まれに脳炎、血小板減少紫斑病などの合併症が2,000人から5,000人に1人ぐらいの割合で発生することがあります。また、大人がかかると発熱や発疹の期間が子供に比べると長く、関節痛がひどいことが多いとされています。

 

■風疹の予防接種

先天性風疹症候群の発生を防ぐために、妊婦や妊娠を希望している女性とそのパートナーの予防が重要です。十分な免疫を有しているか否かは抗体検査により知ることができます。抗体検査は検査費用の一部補助を市区町村が実施しているところがありますので、お住いの区市町村予防接種担当にお尋ねください。

 

■風疹にかかりやすい人とは

風疹予防接種を受けたことがない人、今までに風疹にかかったことがない人です。1995年以前は風疹が定期接種として導入されていなかったため、これ以前の年代では免疫を持っていない人が多いことが分かっています。免疫を持っていない人が多い集団から風疹患者が発生すると、集団感染となりやすいので特に注意が必要です。

 

□風疹についてのQ&A

Q1.妊娠しているのですが風疹の流行が心配です。どうしたらよいでしょうか?

A1.妊娠初期(20週以前)に風疹にかかると、胎児に感染し、赤ちゃんが難聴・白内障・先天性心疾患を特徴とする先天性風疹症候群を持ってうまれてくる可能性が高くなります。

妊娠前であれば未接種・未り患の場合、ワクチン接種を受けることを積極的に検討すべきですが、既に妊娠しているのであればワクチン接種を受けることが出来ませんので、風疹が発生している地域では可能な限り外出を避け、人ごみに近づかないようにするなどの注意が必要です。



Q2.現在妊娠しているのですが、妊婦健診での抗体検査の結果、抗体価が低いことがわかりました。今後どのようにすればよいでしょうか。

A2.風疹が発生している地域では、不要不急の外出を避けていただき、やむを得ず外出をする際には可能な限り人ごみをさけていただくなど、風疹に感染しないよう注意してください。また出産後は、早期の段階で風疹の予防接種を受けることをおすすめしています。

また、風疹の抗体価が低い妊婦の同居家族については、風疹にかかったことがなく、2回の予防接種歴がない場合は、風疹の免疫の有無を確認するための抗体検査を受けてください。その結果、抗体価が低いことが判明した方については、妊婦とお腹の子どもを守る観点からも予防接種を受けることについてご検討ください。

 

Q3.過去に風疹にかかったことがあるのですが、予防接種を受けるべきでしょうか?

A3.今まで風疹にかかったことが確実である(検査で風疹の感染が確認された場合)場合は、免疫を持っていると考えられることから、予防接種を受ける必要はありません。しかし、風疹かどうか明らかでない場合は、かかりつけの医師にご相談ください。たとえかかったことがある人がワクチン接種をしても副反応は増強しません。

 

Q4.風疹の予防接種を受けるのに、単独の風疹ワクチンの代わりに、MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)を接種しても健康への影響に問題ありませんか?

A4.風疹予防対策としては、MRワクチンは単独ワクチンと同様の効果が期待されます。

また、風疹ワクチンの代わりにMRワクチンを接種しても、健康への影響に問題はありません。むしろ麻疹の予防にもつながる利点があります。

ただし、MRワクチンは、生ワクチンという種類のワクチンですので、妊娠している女性は接種を受けることができません。また、妊娠されていない場合であっても、接種後2カ月程度の避妊が必要です。これは、おなかの中の赤ちゃんへの影響を出来るだけ避けるためです。

また、風疹の単独ワクチン、麻疹の単独ワクチンの接種にあたっても、妊娠している人は接種を受けることはできません。接種後2カ月程度、妊娠を避けるなど同様の注意が必要です。

 

■風疹かもしれないと思ったら

発疹、発熱などの風疹のような症状がある場合は、風疹の疑いがあることをかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してから、その指示に従ってください。

医療機関へ移動される際は、周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けてください。

ワクチンを打った方が良いかどうか判断に迷った場合、どのくらい自身が抗体を持っているかお調べすることができます。予約なしで検査(採血)可能ですので、お気軽にお立ち寄りください。

 

何かご不明点ございましたら当院までお問い合わせください。

東京メトロ東西線・葛西駅西口より徒歩5分、葛西内科皮膚科クリニックです。

Page Top