ニキビができるメカニズム
ニキビができる主な原因は、以下の4つが複雑に絡み合っています。
皮脂の過剰な分泌: ホルモンバランスの変化(特に思春期や生理前)、ストレス、食生活の乱れなどが原因で、皮脂腺から過剰に皮脂が分泌されます。
毛穴の詰まり(毛孔の角化異常): 古い角質がうまく剥がれ落ちずに毛穴の出口を塞いでしまい、皮脂が外に出られなくなります。
アクネ菌の増殖: 皮脂を好む「アクネ菌(P. acnesまたはC. acnes)」は、普段から皮膚に存在する常在菌です。
毛穴が詰まって酸素が少なくなり、皮脂が豊富になると、このアクネ菌が異常に増殖します。
炎症: 増殖したアクネ菌が皮脂を分解する際に、炎症物質を産生し、毛穴の周りで炎症が起こります。
これが赤みや腫れを伴うニキビの原因となります。
ニキビの種類と症状
ニキビは、その進行度合いによって様々な症状が見られます。
- 白ニキビ(閉鎖面皰:へいさめんぽう) 毛穴の出口が完全に塞がれて、皮脂が詰まった状態です。皮膚の下に白っぽいプツッとした盛り上がりとして見えます。炎症はまだ起きていません。
- 黒ニキビ(開放面皰:かいほうめんぽう) 毛穴の出口が開いており、詰まった皮脂が空気に触れて酸化し、黒く見える状態です。これも炎症はまだ起きていません。
- 赤ニキビ(紅色丘疹:こうしょくきゅうしん) 詰まった毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こしている状態です。赤く腫れ上がり、痛みを感じることもあります。
- 黄ニキビ(膿疱:のうほう) 赤ニキビがさらに悪化し、炎症が進んで膿(うみ)が溜まった状態です。黄色く見え、触るとブヨブヨしていることがあります。この状態になるとニキビ跡になりやすくなります。
ニキビ痕(にきびあと)
- 炎症後紅斑・色素沈着: 炎症が治まった後も、一時的に赤みや茶色いシミのような色素沈着が残るもの。時間とともに薄くなることが多いです。
- 瘢痕(はんこん): 炎症が真皮まで及び、組織が破壊されることで、クレーター状の凹みやケロイドのように盛り上がった跡が残るもの。これは自然に治るのが難しく、治療が必要になります。
ニキビの治療法
ニキビの治療は、症状の程度や種類によって様々ですが、炎症を抑え、毛穴の詰まりを解消し、アクネ菌の増殖を抑えることを目標に行われます。
外用薬(塗り薬)
- アダパレン(ディフェリン®など): 毛穴の詰まりを改善し、ニキビの初期段階である白ニキビ・黒ニキビから赤ニキビの予防に効果的です。
- 過酸化ベンゾイル(ベピオ®、エピデュオ®など): アクネ菌への抗菌作用と、毛穴の詰まりを改善する作用を併せ持ちます。耐性菌ができにくいのが特徴です。
- 抗菌薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシンなど): アクネ菌の増殖を抑え、炎症を鎮めます。
- イオウ製剤: 角質を柔らかくし、皮脂の分泌を抑える作用があります。
内服薬(飲み薬)
- 抗菌薬(テトラサイクリン系、マクロライド系など): 炎症が強い赤ニキビや黄ニキビに対して、アクネ菌の増殖を抑え、炎症を鎮める目的で処方されます。症状が落ち着いたら、できるだけ早く中止することが推奨されます。
- 漢方薬: 体質や症状に合わせて、皮脂分泌の抑制や炎症の鎮静、ホルモンバランスの調整などを目的として処方されることがあります。
- ビタミン剤: 皮膚の代謝を促すビタミンB群や、抗酸化作用のあるビタミンCなどが用いられることがあります。
面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)
専用の器具で毛穴の詰まり(コメド)を押し出す処置です。炎症の悪化を防ぎ、治りを早める効果があります。ご自身で行うと悪化させる可能性があるので、必ず専門医にご相談ください。
ケミカルピーリング
酸性の薬剤を塗布することで、古くなった角質や毛穴の詰まりを除去し、肌のターンオーバーを促進します。ニキビの改善だけでなく、ニキビ跡のケアにも効果的です。
光線療法・レーザー治療
炎症性のニキビや、赤み・凹凸のニキビ跡に対して行われることがあります。
ご自身でできるニキビ対策(セルフケア)
日々の生活の中で、ニキビを予防し、悪化させないためのセルフケアも非常に重要です。
正しい洗顔
- ゴシゴシ洗いはNG: 摩擦は肌への刺激となり、ニキビを悪化させます。洗顔料をよく泡立て、泡で肌を包み込むように優しく洗いましょう。
- ぬるま湯で: 熱いお湯は皮脂を過剰に洗い流し、乾燥を招くことがあります。30〜34℃程度のぬるま湯で洗いましょう。
- 洗顔は1日2回まで: 必要以上に洗顔すると、肌のバリア機能を損ねる可能性があります。朝と晩の2回で十分です。
保湿ケア
- ニキビ肌も乾燥すると、かえって皮脂分泌が過剰になったり、バリア機能が低下したりします。洗顔後は、ベタつきの少ない、ニキビ肌向けの化粧水や乳液でしっかり保湿しましょう。
- 「ノンコメドジェニックテスト済み」と記載されている製品は、ニキビができにくい処方になっているのでおすすめです。
紫外線対策
- 紫外線は、ニキビの炎症を悪化させたり、ニキビ跡の色素沈着を濃くしたりすることがあります。日焼け止めや帽子、日傘などを活用して、紫外線から肌を守りましょう。
- 日焼け止めも「ノンコメドジェニック」のものを選ぶと良いでしょう。
生活習慣の改善
- バランスの取れた食事: 偏った食生活は皮脂分泌を促すことがあります。ビタミンB群やCを積極的に摂り、脂っこいものや糖分の摂りすぎに注意しましょう。
- 十分な睡眠: 睡眠不足はホルモンバランスを乱し、ニキビの原因となることがあります。質の良い睡眠を心がけましょう。
- ストレス管理: ストレスはホルモンバランスや免疫機能に影響を与え、ニキビを悪化させることがあります。自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
- 髪型・清潔: 前髪が顔にかからないようにしたり、枕カバーやシーツをこまめに洗濯して清潔に保ったりすることも大切です。
~~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~~