帯状疱疹の原因は?
上記で述べた通り、原因は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。
ウイルスが再活性化する主な引き金は、免疫力の低下です。具体的には、以下のような状況で免疫力が低下しやすいと考えられています。
加齢 50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が経験すると言われています。
過労やストレス 精神的、肉体的な負担が大きいと免疫力が低下します。
病気や治療 がん、糖尿病などの病気や、免疫抑制剤の使用、ステロイドの長期服用なども原因となります。
体調不良 風邪などの感染症、寝不足なども免疫力を低下させます。
帯状疱疹の主な症状
帯状疱疹は、発疹が現れる前から特徴的な症状が出ることが多いです。
初期症状(前駆痛)
- 発疹が現れる数日前から、体の片側(多くは胸や背中、顔など)の皮膚に、ピリピリ、チクチク、ズキズキとした神経痛のような痛みや違和感が生じます。
- この痛みは、しびれや、焼けるような感覚として感じることもあります。発疹が出る前は、他の病気と区別がつきにくいことがあります。
発疹期
- 痛みの数日後、同じ部位に虫刺されのような赤い斑点が複数現れ、やがて小さな水ぶくれ(水疱)ができます。
- 水ぶくれは破れてかさぶたになり、通常2~4週間で治癒します。
- 発疹は神経の走行に沿って帯状に広がるのが特徴で、体の片側にのみ現れることがほとんどです。
痛み
- 発疹が現れてからも、強い痛みが続きます。痛みは個人差が大きく、軽度から耐え難いほどの激痛まで様々です。
- 夜間に眠れないほどの痛みを感じることもあります。
- 発疹が治った後も痛みが残ることがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」と呼び、特に高齢者で問題となります。
帯状疱疹の治療法
帯状疱疹の治療は、ウイルスの増殖を抑え、痛みを和らげ、後遺症(帯状疱疹後神経痛)を残さないことが目標となります。
抗ウイルス薬の内服・点滴
- ウイルスの増殖を抑えるための最も重要な治療です。
- 発疹が出てから72時間以内に服用を開始することが、治療効果を高め、帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐ上で非常に重要です。
- 症状の程度や状況に応じて、内服薬や点滴が選択されます。
痛み止め(鎮痛薬)
- 痛みが強い場合は、炎症を抑える非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)や、神経の痛みに特化した薬などが処方されます。
外用薬(塗り薬)
- 水ぶくれの炎症を抑えたり、細菌の二次感染を防いだりする目的で処方されます。
その他
- 重症の場合や、目の周り、顔面などに症状が出ている場合は、入院して治療を行うこともあります。
- 帯状疱疹後神経痛に移行した場合は、痛みの専門医(ペインクリニック)との連携が必要になることもあります。
帯状疱疹の予防
帯状疱疹は、免疫力が低下すると発症しやすくなるため、日頃から免疫力を高める生活を心がけることが大切です。
十分な休息と睡眠 疲労や寝不足は免疫力低下の大きな要因です。
バランスの取れた食事 栄養バランスの良い食事を心がけ、免疫力を維持しましょう。
適度な運動 適度な運動はストレス解消になり、免疫力向上にも繋がります。
ストレスの解消 ストレスは免疫機能に悪影響を与えます。自分なりのリラックス法を見つけましょう。
そして、最も効果的な予防策として注目されているのがワクチン接種です。
帯状疱疹ワクチン
- 50歳以上の方を対象に、帯状疱疹の発症を抑制し、もし発症しても重症化を防ぎ、帯状疱疹後神経痛への移行を減らす効果が期待されています。
- 現在、日本で接種できるワクチンには、水ぼうそうワクチン(弱毒生ワクチン)と、シングリックス®(不活化ワクチン)の2種類があります。
- シングリックス®は、より高い予防効果と持続期間が報告されており、当クリニックでも接種が可能です。ワクチンの種類や費用、接種スケジュールについては、医師にご相談ください。
早期受診が何よりも大切!
帯状疱疹は、早期に治療を開始するほど、痛みや発疹が早く治まり、つらい後遺症である帯状疱疹後神経痛のリスクを軽減できます。
「体の片側がピリピリする」「痛みがあって、その後に赤い発疹が出てきた」と感じたら、すぐに皮膚科を受診してください。たとえ発疹が出ていなくても、前駆痛の段階で相談いただければ、適切に診断し、治療を開始することができます。
当クリニックでは、患者さんの症状や状況を丁寧に診察し、一人ひとりに最適な治療と、必要に応じた予防接種のご案内を行っております。ご不安なことがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。
~~監修 医療法人社団 俊爽会 理事長 小林俊一~~