内科・皮膚科疾患のお話
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以前のブログで境界性糖尿病についてお話ししましたが、そもそも【糖尿病】とはどのような病気なのか、Q&Aにまとめました。
Q.糖尿病とはどのような病気ですか?
A.食事でとった炭水化物はブドウ糖として腸管から吸収され、血管を通って全身の臓器に運ばれエネルギー源として使われます。
このときブドウ糖やインクレチン(インスリンの分泌を促すホルモン)の働きにより膵臓からインスリンが分泌されます。
インスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込んだり、形を変えて蓄えたりする働きをして、血液中のブドウ糖を一定のレベルに調節しています。
糖尿病はこれらの機能がうまく働かないため、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。
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Q.糖尿病になってしまう理由は?
A.大きく分けて①かかりやすい体質・素質②生活習慣が関係しています。
①かかりやすい体質・素質
糖尿病は“糖尿病の素質”を持った人が何らかの誘因が加わって発病することが多いと言われています。
この素質は遺伝し、家族や親せきに糖尿病の人がいる場合、いない人に比べて発症するリスクが高くなります。
②生活習慣
戦後の高度経済成長を経て食生活が豊かになり、脂肪や蛋白質の多い食品を摂取する機会が増え、反対に米や野菜の摂取が減少しました。
また交通機関の発達により歩く機会が減り、室内での仕事が増え、家でも便利な家電が増え体を動かす習慣も少なくなり運動量も減りました。
加えて喫煙、飲酒、ストレスなどの影響も糖尿病患者増加の要因の一つとされています。
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Q.1型糖尿病と2型糖尿病は何が違うのですか?
A.1型糖尿病は突然発症します。
成因:インスリンを作る膵臓の細胞が壊れることで起こります。
発症年齢:小児~思春期に多くみられます。しかし成人を超えてからの発症も多く小児だけの病気ではありません。
体型:肥満とは関係がありません。
治療法:薬物治療(インスリン注射)、食事療法(カーボカウント)、運動療法などがあります。
一方で2型糖尿病は食生活や運動不足などの生活習慣が影響し発症します。
成因:インスリンの分泌が少なくなる、或いは働きが悪くなることで起こります。
発症年齢:40歳以上に多い。
体型:肥満、または肥満の既往が多いが非肥満でも起こります。
治療法:食事療法、運動療法、薬事療法などがあります。
2型糖尿病は糖尿病全体の95%以上を占め、10人に9人以上はこのタイプです。
他にも特定の病気、薬による糖尿病や、妊娠による糖尿病もあります。
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Q.糖尿病の症状はどのようなものですか?
A.糖尿病の初期症状には自覚症状がほとんどありません。
気づいたときにはかなり悪化していることもあるため早期発見・早期治療が大切です。
高血糖が続くと以下のような症状が現れることがあります。
・喉が良く乾く
・トイレが近い
・体重が減る
・食べ過ぎる
・体がだるく、疲れやすい
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Q.糖尿病をそのままにしておくとどうなりますか?
A.血糖値が高いままの生活をして続けると、血管がもろくボロボロになってしまいいわゆる血管病になってしまいます。
そして全身にネットワークを結んでいる血管と神経が血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて全身の様々な障害が起こります。
これは糖尿病の【慢性合併症】と呼ばれています。
この他に、極度のインスリン作用不足によって起こる急激に起こる【急性合併症】もあります。
急性合併症と慢性合併症のどちらも、糖尿病患者さんの生活の質(QOL)と寿命は著しく低下します。
これらは一旦生じてしまうと元に戻す(治す)ことは大変困難です。だからこそ糖尿病は早期発見と早期治療が行われるか否かが運命の分かれ道とも言えます。
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Q.糖尿病かどうかを調べるにはどうしたらいいですか?
A.糖尿病かどうかを調べるには、病歴や家族歴などの問診、全身状態の確認と血液検査を行います。
血液検査で調べた血糖値の結果などから、高血糖が慢性的に続いていることが証明された場合に糖尿病と診断されます。
この他にも合併症の評価や早期発見に必要な検査を行うこともあります。
毎年の健康診断をきちんと受けることも自分が糖尿病の可能性があるかどうか判断する材料となります。
精査が必要と判断された場合直ちにかかりつけ医へ相談しましょう。
HbA1c:過去1~2か月間の平均的な血糖値を反映します。
直近の食事や影響を受けずに血糖コントロールの状態を知る指針としてよく用いられます。
正常範囲は4.6~6.2%(日本糖尿病学会)で6.0~6.4%で「糖尿病の可能性が否定できない」、6.5%以上で「糖尿病が強く疑われる」としています。
空腹時血糖:決められた時間絶食した後の血糖値の値。
食後血糖:食後90分~120分の血糖値の値。
ブドウ糖負荷試験:75gのブドウ糖を飲んだ後、30分・60分・90分・120分後の血糖値を計る検査。
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◆生活習慣チェック
糖尿病になりやすい要因や、糖尿病を悪化させる要因が隠れていないか自分の体の状態や生活習慣をチェックしてみましょう。
当てはまる項目の多い人は生活習慣の見直しが必要です。
✔40歳以上である
✔両親や祖父母、兄弟に糖尿病の人がいる
✔太っている
✔つい食べ過ぎてしまう
✔運動不足
✔ストレスが多い
当院は糖尿病の専門治療に加え、栄養師による栄養指導も積極的に行っております。
何か気になる点等ございましたらお気軽にお尋ねください。
葛西内科皮膚科クリニック