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内科・皮膚科疾患のお話

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高尿酸血症について

■高尿酸血症とは

高尿酸血症は血液中の尿酸値が【70mg/dL】を超えている状態のことを指します。

尿酸値が高いだけでは症状はありませんが、血中の尿酸値が高い状態が続くと溶けきれなくなった尿酸が結晶となり、関節などに蓄積していきます。

 

■尿酸値が高くなる要因

通常の状態では、体内における尿酸の生産量と排泄量はほぼ同じで、血液中の尿酸量は一定に保たれています。しかし、尿酸の産生が増えすぎたり、腎臓からの排泄が少なかったりすると、血液中の尿酸が多くなります。

 

尿酸は【プリン体】と呼ばれる物質から産生されます。

プリン体とは食物全般に含まれており、また人の体内でも産生される物質で、細胞の新陳代謝やエネルギー代謝に使われます。そして細胞や食品中に含まれるプリン体が分解されて生じる代謝物が【尿酸】です。

主に尿で溶けて排出され、体内での量は一定に保たれています。産生と排出のバランスが崩れ、尿酸プールがあふれると、血液中の尿酸値が高くなり高尿酸血症になります。

食事や飲酒だけではなく、生活習慣の乱れや運動、ストレスも原因の一つとされ、自覚症状はなく、健康診断などで指摘されることもあります。

日本人の高尿酸血症の発症頻度は男性で20%、女性で5%と男性の発症の頻度が高いとされています。高尿酸血症患者さんのおよそ80%には高血圧、肥満、糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病を合併し、虚血性心疾患や脳血管障害の発症率を高めていると考えられているため注意が必要です。

 

高尿酸血症には、尿酸を作る量が多いタイプ【尿酸産生過剰型】、尿からの排泄が少ないタイプ【尿酸排泄低下型】、便からの排泄が少ないタイプ【腎外排泄低下型】、それらが混ざった混合型に分類されます。

 

■高尿酸血症と痛風の関係

高尿酸血症を放っておくと、結晶化した尿酸が関節などに溜まっていきます。それを白血球が破壊しようとすることで、炎症と激しい痛みを伴う【痛風発作】が引き起こされます。

発作が起こると2~3日は歩けないほど痛みが続きます。その後、痛みは徐々にやわらいでいきますが、正しい診断や治療を受けずに放置していると、同じような発作が繰り返し起こり、発作を起こすたびに病態は悪化していきます。

日本人の痛風発症年齢は30~40歳代がピークだと報告されてます。

 

痛風発作は足の親指の付け根が発症しやすい部位とされています。そのほか、足首やひざ、手首などの関節にみられます。痛風発作は1週間程度で治まりますが、放っておくと再発を繰り返し症状の悪化につながるので、適切な治療を行うことが大切です。

 

■高尿酸血症と尿路結石

血清尿酸値が高いと尿が酸性になり、尿酸が溶けにくくなり、尿路結石ができやすくなります。

一般も尿路結石は血清尿酸値が高いほど、尿中尿酸排泄量が多いほど高率に合併する傾向です。高尿酸血症は尿酸結石形成に関するばかりではなく、尿路結石中最も多いシュウ酸カルシウム結石(全尿路結石中、約80%)形成の危険因子でもある。尿酸結石は、全尿路結石の約5%を占めます。痛風・高尿酸血症患者の 20%以上に結石形成がみられます。

 

何かご不明点ございましたら当院までお問い合わせください。

東京メトロ東西線・葛西駅西口より徒歩5分、葛西内科皮膚科クリニックです。

 

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